二世帯住宅づくりの前に
※ 一般的に言われる「二世帯住宅設計のポイント」です。
1.メリットとデメリットを理解する
メリット
・お互いの助け合い(病気のとき・子育て・防犯など)
・精神的な充実(多世代交流・安心感など)
・文化の継承(歳時記・習慣など)
注意が必要な点
・生活リズムの違い(子育て世代と熟年世代)
・プライバシーの確保(お互いの専用スペースの確保)
・文化、価値観の違い(食事の趣向・ライフスタイルなど)
二世帯同居には、助け合う安心感や豊かな世代間交流など、魅力的な要素があります。
その一方で、家族であってもお互いが尊重しあう配慮が必要となります。
特に、ライフステージ(子育て世代と熟年世代)が違うため、生活のリズムが合わない場合が多くあります。
それまでに出来上がってきた生活リズムを崩すことはなかなか出来ません。
どちらか一方があわせようとすると、お互いのストレスとなりかねません。
まずは、お互いの生活を理解することが必要です。
2.自分たちにあった二世帯住宅のタイプは?
二世帯同居のメリットを最大限に生かすには、住まい方を考え、
それにあった住まいをつくることで、デメリットを克服することです。
設計初期の段階で、「共有する部分」と「分離する部分」をしっかりと相互理解し、
そのルールをプランに反映させることが必要です。
4つの基本プラン
①共有タイプ
玄関はひとつ。キッチンやお風呂などは、世帯ごとに設けるか、共有するか、
共有の度合いや広さによって様々なパターンが考えられます。
間取りの工夫によって、それぞれ独立性を高めたり、共用ゾーンを多くとったりすることも可能です。
②上下分離・内階段タイプ
一階に玄関を二つ設け、上下階で住み分けるタイプです。独立した玄関と専用階段があり、
世帯ゾーンが上下に明確に分離され、独立性は共用タイプより高くなります。
内部にドアを設けることで、必要に応じて二つの世帯のコミュニケーションが図れます。
③上下分離・外階段タイプ
一階、二階にそれぞれ玄関を設け、世帯ゾーンを完全に上下に独立させたタイプ。
二階へは、外階段で上がります。内階段タイプより二世帯間の独立性は高くなっています。
内階段・外階段タイプ共、中庭や吹抜などで両世帯間の気配を伝え合うなどの工夫で二世帯住宅の良さを高めることも可能です。
④連棟分離タイプ
集合住宅のように壁を挟んで2軒の家が隣り合わせになったタイプです。
内壁で仕切られているので、生活音に気を使いません。
また、交流を高めたければ、間に扉を設けたり、中庭やベランダで行き来したりと、工夫次第です。 |